最近話題のグルテンフリー。健康志向の高まりとともに注目されていますが、「日本人には意味がない」という声も少なくありません。本記事では、グルテンフリーが日本人に必要かどうか、科学的根拠や食文化の背景を基に詳しく解説します。

目次

  1. グルテンフリーが意味ないと言われる理由

    セリアック病と日本人の有病率

    日本の食文化とグルテン摂取量

  2. それでもグルテンフリーを選ぶ方が増える理由

    小麦アレルギーや不耐症の増加

    グルテンフリーと健康効果の誤解

  3. グルテンフリーのメリットとデメリット

    期待されるメリット

    注意すべきデメリット

  4. まとめ|グルテンフリー生活を検討するなら「MASH SOY」で栄養バランスを整えよう

グルテンフリーが意味ないと言われる理由

グルテンフリーは、欧米でセリアック病の治療法として発展してきた食事スタイルです。健康ブームとともに日本でも注目されていますが、「日本人には意味がない」という意見も少なくありません。本章では、その理由を科学的根拠と日本独自の食文化に基づいて解説します。

セリアック病と日本人の有病率

セリアック病は、自己免疫疾患の一つで、グルテンを摂取すると小腸がダメージを受け、消化吸収が困難になる病気です。この疾患の唯一の治療法がグルテンフリーです。しかし、日本人がこの病気にかかる確率は非常に少ないと言われています。セリアック病の日本人における有病率は約0.05%とされ、欧米に比べて圧倒的に低い数字です。欧米では、セリアック病の発症率が約1%とされており、日本人と比較すると20倍もの差があります。また、遺伝的な要因も発症率に影響しています。
セリアック病はHLA-DQ2またはHLA-DQ8と呼ばれる遺伝子型を持つ方に多いことが知られています。この遺伝子型の保有率が日本人では非常に低いため、発症リスクが少ないのです。さらに、日本人の主な食事では小麦を主成分とする食品の摂取が少ないことも、セリアック病が低い理由の一つと考えられます。日本では米を中心とした伝統的な食事スタイルが長年続いてきたため、グルテン摂取量そのものが少ないのです。こうした背景から、「セリアック病の治療として生まれたグルテンフリーは、日本人には必要ない」という声が上がるのも無理はありません。

日本の食文化とグルテン摂取量

日本の伝統的な食文化は、米を主食とし、魚や野菜を多く取り入れたもので、グルテン摂取量が少ないのが特徴です。そのため、グルテンフリーの恩恵を受けにくいとされています。

【日本人のグルテン摂取量の特徴】

食材 主な特徴 グルテンの含有量
主食として消費量が多いがグルテンは含まない グルテンフリー
小麦粉製品 パン、うどん、ラーメンなど 高グルテン食品
醤油 小麦由来だが発酵でグルテンが分解される ほぼグルテンフリー(例外あり)
日本では戦後に小麦の消費量が急激に増加しましたが、それでも欧米諸国に比べると依然として少ない状況です。例えば、1人当たりの年間小麦消費量は、戦後は約8kgだったものが近年では約30kgと増えたものの、パンを主食とする欧米では70kg以上にも達しています。また、日本の多くの食品には小麦が使われていますが、米や豆腐、魚など、グルテンを含まない食材が豊富に揃っていることも特徴です。伝統的な和食を中心とした生活を送っていれば、自然とグルテンの摂取量は抑えられます。
このような背景から、日本人がグルテンフリーを実践する必要性は低いと言われるのです。しかし、近年の食の欧米化によって、小麦を含む食品の摂取量が増えたため、これが将来の健康にどのような影響を与えるかは議論の余地があります。

それでもグルテンフリーを選ぶ方が増える理由

日本では「グルテンフリーは必要ない」という意見がある一方で、実際にこの食事法を選ぶ方が増えています。その背景には、小麦に関する健康問題の増加や健康志向の高まりがあります。本章では、なぜ日本人でもグルテンフリーを選ぶ方が増えているのかを詳しく解説します。

小麦アレルギーや不耐症の増加

近年、日本でも小麦に関連した健康問題を抱える方が増えています。その中でも注目すべきは、小麦アレルギーやグルテン不耐症と呼ばれる症状です。
小麦アレルギーは、食物アレルギーの一種であり、免疫反応が引き起こす症状が特徴的です。食後に皮膚のかゆみや湿疹が出る、消化不良が起こるなどの症状が見られます。この症状は軽度なものから重度なアナフィラキシーショックまでさまざまで、日常生活に大きな影響を与える場合があります。
一方、グルテン不耐症は、グルテンを消化できないことで起こる消化器系の不調です。セリアック病とは異なり、免疫系が直接関与していないため診断が難しいですが、腹部膨満感や倦怠感といった慢性的な症状が特徴です。さらに、小麦関連の健康問題の背景には、食生活の欧米化や加工食品の増加があります。
戦後、日本人の小麦消費量は急激に増え、特にパンやパスタ、菓子類が日常的に消費されるようになりました。この結果、小麦製品に依存する食生活を送る方が増え、小麦アレルギーや不耐症のリスクが高まっています。
また、小麦を多く含む食品は血糖値を急激に上昇させるため、肥満や糖尿病のリスクとも関連していると言われています。こうした背景から、グルテンフリーは「健康を守る選択肢」として注目されるようになったのです。

グルテンフリーと健康効果の誤解

グルテンフリーが注目される理由の一つには、SNSやメディアを通じて広がった健康効果への期待があります。しかし、実際には科学的根拠がない、あるいは誤解された情報も多く存在します。
例えば、グルテンフリーがダイエットに効果的であるという主張は誤解されがちです。確かに、小麦製品を控えることで摂取カロリーが減り、結果的に体重が減ることがあります。しかし、これはグルテンそのものが原因ではなく、小麦製品に含まれる糖質や脂質を制限したことによる効果です。つまり、グルテンフリーそのものがダイエットの特効薬ではありません。また、「グルテンフリーは肌荒れを改善する」という主張もありますが、これも万人に効果があるわけではありません。
肌荒れは栄養不足やストレス、ホルモンバランスなど複数の要因が関与しており、グルテンフリーは腸内環境の改善に効果がある場合に限り、肌トラブルが軽減される可能性があるにすぎません。
さらに、多くの方が見落としがちなのは、グルテンフリー食品の選び方です。市販のグルテンフリー食品には、グルテンを除去した代わりに糖質や脂質が多く含まれていることがあり、これがかえって健康に悪影響を与える場合もあります。「グルテンフリー=健康的」という単純な図式は必ずしも正しくないのです。こうした誤解にも関わらず、グルテンフリーを取り入れる人が増えている理由は、有名人やアスリートの実践例が影響を与えていることも一因です。
例えば、テニス選手のジョコビッチ氏がグルテンフリーを実践し、パフォーマンスの向上を公言したことは多くの方に影響を与えました。これにより、「グルテンフリーを実践すれば健康になれる」というイメージが広がったのです。

グルテンフリーのメリットとデメリット

グルテンフリーは、セリアック病や小麦アレルギーの治療法として生まれましたが、近年では健康志向の一環として注目されています。ただし、メリットだけではなく、注意が必要なデメリットも存在します。本章では、グルテンフリーを実践する上での良い点と課題を整理します。

期待されるメリット

グルテンフリーを取り入れることで、身体にさまざまな良い影響があるとされています。特に、腸内環境の改善や健康維持につながる可能性が注目されています。

1. 腸内環境の改善
グルテンは一部の方にとって腸の壁を傷つけ、消化不良や腸内細菌のバランスを崩す原因になることがあります。グルテンフリーを実践することで腸内のバリア機能が回復し、便秘や下痢といった症状が改善されるケースがあります。特にリーキーガット症候群と呼ばれる腸内の漏れが原因の症状には有効とされています。

2. 肌荒れの改善
肌荒れの原因は腸内環境の乱れや炎症に起因する場合があります。グルテンフリーを取り入れることで、腸内の炎症が減少し、ニキビやアトピー性皮膚炎が軽減される可能性があります。ただし、この効果は個人差があるため、期待しすぎるのは避けるべきです。

3. 体調の改善と疲労感の軽減
グルテンが身体に合わない方が小麦製品を控えると、体調が劇的に改善することがあります。例えば、倦怠感や集中力の低下が軽減されたという報告もあります。
これは、消化にエネルギーを使いすぎることがなくなり、身体全体のパフォーマンスが向上するためと考えられています。

注意すべきデメリット

グルテンフリーには魅力的なメリットがある一方で、無計画に取り入れると身体に悪影響を与えることもあります。健康を維持するためには、以下の点に注意が必要です。

1. 栄養バランスの偏り
グルテンフリーを実践することで、小麦に含まれる重要な栄養素が不足する可能性があります。例えば、小麦には食物繊維、ビタミンB群、鉄分などの栄養素が豊富に含まれています。これを補うために、野菜や豆類、玄米などを積極的に摂取することが必要です。

2. 食事のコスト増加
グルテンフリー食品は一般的な食品に比べて価格が高いことが多いです。例えば、米粉や代替材料を使用したパンやスナック類は、小麦製品の2倍以上の価格になる場合があります。これが長期的なコスト負担につながる可能性があります。

3. 外食時の選択肢の制限
日本ではグルテンフリー対応のメニューを提供するレストランがまだ少ないのが現状です。外食時にグルテンを含まない料理を探すのは難しく、食事制限がストレスになることもあります。事前に食べられる食品を確認しておくことが必要です。

【グルテンフリー食品の価格例】

商品 一般食品価格(円) グルテンフリー食品価格(円)
食パン(1斤) 300 600
クッキー(1袋) 150 400
パスタ(250g) 250 700
4. 必要以上の制限によるストレス
セリアック病や小麦アレルギーの診断を受けていない場合、過剰なグルテンの制限は不要です。無理に制限を設けると、好きな食品が食べられないストレスや栄養不足に陥るリスクがあります。グルテンフリーはあくまでバランスの一環として考えるべきです。

まとめ|グルテンフリー生活を検討するなら「MASH SOY」で栄養バランスを整えよう

グルテンフリーは特定の健康問題を抱える方にとって重要な食事法です。しかし、健康な方が実践する場合、メリットとデメリットをしっかり理解した上で取り入れることが重要です。特に、栄養バランスの偏りやコストの増加といった課題を考慮しながら、自分に合った方法を見つけることが求められます。
そこで注目したいのが、栄養価が高く、手軽に利用できる大豆食品「MASH SOY」です。MASH SOYは、北海道産丸大豆と水だけで作られた完全無添加の食品で、グルテンフリーの食事を補完する理想的な選択肢です。
物性たんぱく質や大豆イソフラボンを含むこの食品は、腸内環境を整えながら、健康的な食生活をサポートします。
また、グルテンフリー生活に限らず、ダイエットや美容、アンチエイジングを意識する方にとっても、大豆の栄養素を簡単に取り入れられるのが魅力です。ペースト状でアレンジしやすいMASH SOYは、スムージーやスープ、デザートなど幅広い料理に活用できるため、家族全員で楽しむことができます。グルテンフリー生活を無理なく続けるためには、栄養補給と味わいの両方を満たす工夫が必要です。

ぜひ、毎日の食事にMASH SOYを取り入れ、健康的でバランスの良い食生活を実現してみてください。

Riko Kobayashi

小林 理子

略歴

2014年短期大学部家政科食物栄養専攻卒業 栄養士資格取得

2014年給食委託会社入社

2015年公立小学校の栄養士へ転職

2017年管理栄養士国家資格取得/フリーランス管理栄養士へWebライター、セミナー講師、食事指導、レシピ開発等で活躍

2019年オランダへ渡航(活動休止)

2023年フューチャーフーズ株式会社に入職

2024年フリーランス管理栄養士として活動再開

活動実績

高齢者施設、学校、保育園などでの給食提供を経験し、実務を通じて専門性を磨いた後、独学で管理栄養士国家試験に合格。以降はフリーランスとして、食事指導・セミナー登壇・レシピ開発・Webライターなど幅広い分野で活躍。

オランダ滞在中に妊娠・出産を経験し、日本帰国後は 大豆製品を使ったレシピ開発 や 食品臨床試験の食事調査 を行い、現在は再びフリーランスとして活動中。