高齢者は、食事量が減ることによる栄養不足で、さまざまな不調が現れることがあります。また、高齢になると咀嚼がしにくくなったり、食欲が減退したりするなど、若い頃にはなかった食生活に関する悩みが出てくるので、食事面のケアが欠かせません。食事作りをする側としては、高齢者の食にまつわる変化を敏感に察知したうえで、無理なく食べられる献立を考える必要があります。
いくつになっても楽しくおいしい食事を楽しんでもらうためにも、『高齢者が食べやすい簡単なおかずレシピ』を3つ紹介します。毎日手軽に栄養を摂るコツにも触れますので、「食事準備の負担を軽くして、心の余裕を持ちたい」という方は、ぜひ参考にしてください。
高齢者の食事では栄養バランスを心がける
人が健康的に過ごすためには、炭水化物・脂質・たんぱく質・ビタミン・ミネラル・食物繊維など、さまざまな食品からバランスの良い栄養の摂取が欠かせません。とくに、たんぱく質は丈夫な骨や筋肉の維持につながるため、高齢者も積極的に摂ってもらいたい成分です。肉や魚、卵や乳製品、大豆製品に多く含まれています。
しかし、年齢を重ねると嚙む力や嚥下(えんげ)力が落ちやすくなって、食事に対してストレスを感じる方も少なくありません。食事が億劫になり、食事量が減少してエネルギーが不足している低栄養状態に陥るリスクが高まります。
低栄養状態が続くと、下記の健康リスクを引き起こします。
【低栄養による高齢者の健康リスク】
- 疲れやすくなって活動量が減り、筋力が低下する
- 転倒・骨折しやすくなり、傷や折れた骨の治りも悪くなる
- 免疫機能が低下し、感染症にかかりやすくなる
- 認知機能が低下し、認知症になるリスクが高まる
さまざまな食品からバランス良く栄養補給するためには、高齢者にとって食べやすい・食べにくい食品を正しく把握することが大切です。「食べにくい」をどうしたら「食べやすい」にできるかという視点で、調理のポイントを押さえましょう。
高齢者が食べやすい食品
噛む力や嚥下力が低下している高齢者でも、やわらかくのど越しが良い食品であれば、無理なく口に運べます。高齢者が食べやすい食品を形状別に紹介します。
ミンチ状のもの
肉類はやわらかいミンチ状のものを使うと、噛む力が衰えた高齢者も食べやすくなります。具体例としては、ひき肉を成型してから調理するハンバーグ・肉団子・つくねなどです。これらはつなぎとして、卵やパン粉、豆腐を使うとふっくらとやわらかく仕上がります。
また、ひき肉をそのまま使って調理する場合は、麻婆豆腐・クリーム煮などがおすすめです。とろみを効かせたり、クリーム状に調理したりすることで、嚥下しやすくなります。
ゼリー状のもの
ゼリーや水ようかん、煮こごりなどのゼリー状食品はツルッとした食感で、のど越し良く食べられます。さらに、細かく砕いてクラッシュ状にしてから食べると、口の中に残りにくくなるでしょう。
お粥状のもの
飲み込む力が低下すると、これまで普通に食べていたご飯が食べづらくなることが考えられます。その場合、炊飯器の水の量を増やしたり、炊いたご飯を鍋で煮たりして、お粥にするととろみがついて食べやすくなります。お粥状にすることで、食事と同時に水分補給もでき、消化しやすくなることもメリットです。体調に合わせて水分量を変え、やわらかさを調整しましょう。
同じく主食であるパンも、水分を加えてやわらかくすれば、誤嚥や窒息のリスクを低減できます。パンを牛乳で煮込むパン粥やフレンチトーストにすると、おいしく食べやすくなるでしょう。
マッシュ状のもの
食材を煮たり茹でたりして熱いうちにすり潰し、マッシュ状にすることも食べやすくする工夫の一つ。
時短で食べ物の形状や食感を変えたいとき、はじめから食べやすく加工されている商品を活用すると、とても便利です。
『MASH SOY(マッシュソイ)』は、北海道産丸大豆と北海道のおいしい水を合わせてペーストにした大豆食品。やさしい味わいとやわらかな食感で、高齢者も手軽にたんぱく質を摂取できます。味わいの邪魔をせず、さまざまなメニューに加えて栄養をプラスできるので、健康的な食事作りに取り入れてみてはいかがでしょうか。
高齢者が食べにくい食品と調理のポイント
高齢者が食べにくい食品には、硬い・繊維が残る・液体状でサラサラしているなどの特徴があります。それぞれの食品例と食べやすくするための調理のポイントをチェックしましょう。
硬い食品
キャベツやキュウリなどの食品が代表例です。細かく刻むか、すり下ろして形状にすると良いでしょう。煮る・焼く・蒸すといった方法で、中心までよく加熱してやわらかくします。
繊維が多い食品
ゴボウやフキ、白菜や大根、硬い肉などが挙げられます。繊維を断ち切るようにカットするか、隠し包丁として切り込みを入れ噛み切りやすくしましょう。肉の場合は筋を切ったり、叩いたりすることでやわらかくできます。
サラサラした液体
水や味噌汁、お茶のようにサラサラした液体は、誤嚥につながる恐れがあります。片栗粉やとろみ剤でとろみをつけたり、ゲル化剤を使ってゼリー状にしたりすることで、まとまった状態で喉を通るようにすると飲み込みやすくなるでしょう。とろみの濃度が高すぎると喉に残りやすくなってしまうため、嚥下力を考慮しながら調整することが大切です。
高齢者が食べやすい簡単おかずレシピ
食べやすい食品とそうでない食品を押さえた上で、高齢者が噛みやすく・飲み込みやすいおかずレシピの中から簡単な料理を3つ紹介します。高齢者の低栄養予防にお役立てください。
<牛肉の甘辛煮>
常備菜としてもおすすめのご飯が進むおかずが『牛肉の甘辛煮』です。牛肉は、赤身よりも脂のある部位を使うとやわらかく仕上がります。
〈材料〉作りやすい分量
- 牛切り落とし肉:200g
- A しょうゆ:大さじ2
- A みりん:大さじ2
- A 酒:大さじ2
- A 砂糖:大さじ1
- すりおろししょうが:小さじ1
作り方
- 牛肉を一口大に切り、下茹でして余分なアクと脂肪を取りのぞく
- 鍋にAを入れて、半分ほどになるまで煮詰める
- 2に牛肉とすりおろししょうがを加え、汁気がなくなるまで煮る
<白身魚のグラタン風>
とろりとしたホワイトソースがかかって食べやすいのが『白身魚のグラタン風』です。カルシウム摂取は牛乳で補えます。
〈材料〉2人分
- 市販のホワイトソース:40g
- 水:100g
- 牛乳:100g
- タラ:160g
- ピザ用チーズ:適量
作り方
- 鍋にホワイトソースと牛乳を入れて火にかけ、かき混ぜながら煮る
- 一口大に切って蒸したタラを耐熱皿に盛り、1をかける
- お好みでピザ用チーズをのせて、オーブンで焼く
<白菜ときゅうりのゆかり和え>
あと一品欲しいときに便利な和えものです。塩の働きで野菜のかさが減り、多くの量を摂取できます。白菜は、繊維を断ち切って食べやすくしましょう。
〈材料〉2人分
- 白菜:60g
- キュウリ:40g
- 食塩:少々
- ゆかり:0.8g
- かつお節:1g
作り方
- 白菜とキュウリを千切りにして、塩でもんで水気を切る
- ゆかりを混ぜて器に盛り、かつお節をかけたら完成
高齢者の食事にも『MASH SOY』を活用してたんぱく質を摂ろう
忙しい毎日の中で、3食のメニューを用意したり、趣向を凝らしたりするのは非常に大変です。時短や手軽さを求める一方で、栄養バランスを疎かにしたくない方も多いでしょう。健康的な食事に重要だと言われている栄養素には、サポニンやイソフラボン、植物性たんぱく質があり、これらは大豆に多く含まれています。しかし、いくら身体に良くても納豆や豆腐を食べ続けると、飽きてしまうでしょう。
そんなとき『MASH SOY』なら、栄養豊富な大豆を毎日気軽に食事に取り込めます。MASH SOYは、大豆を皮ごとペースト状にした新たな大豆加工食品。大豆特有のえぐみや青臭さを取りのぞきながら、栄養素はそのまま摂取できるよう加工されています。
〈MASH SOY注目の栄養素〉※MASH SOY 100gあたり
・サポニン81g
・イソフラボン41mg(1日分の摂取目安量に相当)
・植物性たんぱく質6.2g
大豆に多く含まれる植物性たんぱく質は、脂質が少なく食物繊維が豊富に含まれていることが特徴です。骨粗鬆症予防や乳がんなどのリスクを下げる効能が期待できるイソフラボン、生活習慣病予防をサポートするサポニンとともに、やさしい味わいを楽しみながら摂取できます。
MASH SOYはそのまま食べることもできますが、いつものメニューやおやつにプラスしてもOK。たとえば、グラタンにホワイトソースの代用としてMASH SOYを加えると、大豆の栄養たっぷりのヘルシーな一品に仕上がります。栄養が不足しがちな高齢者への食事に、無理なく栄養をプラスできるMASH SOYをお試しください。
まとめ|栄養バランスの取れた食事でいつまでも健康に!
年を重ねることで噛んだり飲み込んだりする食べる機能が低下すると、食に対する楽しみを失いがちです。高齢になってもおいしく食べられて健康を維持するためには、日々の調理にひと工夫してみてはいかがでしょうか。
MASH SOYは、健康的な食事の用意をサポートしてくれる大豆加工食品です。高齢者はもちろん、子どもでも食べやすい飽きのこない味わいで、毎日の料理や栄養補給に役立ちます。大豆がまるごと入ったMASH SOYで、手間なく栄養バランスを整えましょう。
三好亜耶(監修者)
【略歴】
2007年 栄養士免許を取得
2007年 フードスペシャリスト免許を取得
2007年 福岡市内の保育園に入園
福岡市内の保育園で地元の園児たちの給食作り、食育に従事。その後、結婚し、一児の母に。現在は保育園勤務歴と栄養士やフードスペシャリストなどの保有資格の知識を活かし、Webライターとしてさまざまな分野の執筆を行っている。