添加物「トレハロース」とは?効果や安全性、使い方を徹底解説
2025.02.06
トレハロースは、食品添加物として多くの加工食品に使用されています。しかし、「人工甘味料なのか」「身体に悪いのでは」といった疑問を持つ方も少なくありません。本記事では、トレハロースの基本情報から効果、安全性、実際の活用方法まで詳しく解説します。

目次
トレハロースとは

トレハロースは、食品添加物としてさまざまな食品に活用されている天然由来の糖質です。近年、その用途が拡大し、食品だけでなく化粧品や医薬品の分野でも利用されています。本章では、トレハロースの基本的な性質と、砂糖との違いを具体的に解説していきます。
トレハロースの基本概要
トレハロースは、キノコや海藻、酵母などの天然素材に含まれる糖質です。元々は自然界で発見されており、食品用として使用されるものはじゃがいもやトウモロコシのデンプンから製造されます。このため、人工甘味料ではなく天然由来の糖質として位置付けられます。
トレハロースの特徴は、甘味度が砂糖の約40%と控えめで、すっきりした上品な甘さを持つ点です。この特性により、菓子や飲料の味を引き立てる役割を果たします。また、保湿性や保存性が高いことから、食品の鮮度や食感を長期間維持するためにも活用されています。
さらに、食品以外の分野でも利用が進んでいます。例えば、化粧品では保湿成分として配合され、乾燥から肌を守る効果が期待されています。このように、トレハロースは幅広い用途で人々の生活に役立つ糖質といえるでしょう。
【トレハロースの基本特性】
特性 | 詳細 |
---|---|
甘味度 | 砂糖の約40%、すっきりとした甘さ |
保湿性 | 食品や化粧品の保湿効果が高い |
耐熱性・耐酸性 | 高温や酸性環境でも安定して利用可能 |
天然由来 | 主にじゃがいもやトウモロコシのデンプンから製造 |
トレハロースと砂糖の違い
トレハロースと砂糖は同じ「糖質」に分類されますが、いくつかの明確な違いがあります。それぞれの特性を比較し、適切に使い分けることが重要です。
1. 甘味度の違い
トレハロースの甘味度は、砂糖の約40%とされています。砂糖のように強い甘みを持たないため、控えめな味わいが特徴です。このため、料理や製菓で使用する際には、甘さを調整しながら使用する必要があります。特に素材本来の味を活かしたい場合に適しています。
2. 焼き色の付きやすさ
トレハロースは、砂糖と異なり「メイラード反応」が起こりにくい性質を持っています。これは、糖とアミノ酸が加熱されることで起こる褐色現象のことを指します。トレハロースを使用すると、パンや焼き菓子にこんがりとした焼き色が付きにくくなります。このため、白いパンや淡い色を保ちたい焼き菓子の製造に適しています。
3. 保存性と食感への影響
トレハロースは保湿性が高く、食品の鮮度を長持ちさせる効果があります。例えば、パンや餅に使用することで、時間が経っても固くなりにくく、しっとりとした食感を保つことが可能です。一方で、砂糖は保湿効果よりも甘みを付与する用途が主流です。
【トレハロースと砂糖の比較】
特性 | トレハロース | 砂糖 |
---|---|---|
甘味度 | 低い(砂糖の約40%) | 高い(強い甘さを持つ) |
焼き色の付きやすさ | 付きにくい | 付きやすい |
保存性 | 食感や鮮度を長持ちさせる効果が高い | 保湿効果は低い |
トレハロースと砂糖はそれぞれに異なる特性を持っています。そのため、用途や目的に応じて選択することで、料理や製菓の仕上がりを最適化できます。
トレハロースの効果

トレハロースは、食品や健康において多くのメリットをもたらす糖質です。食品添加物として使われる理由は、その特性が食品の質や保存性を高める点にあります。また、健康面でも注目される点が多く、幅広い分野で利用されています。本章では、「食品における主な役割」と「健康面でのメリット」の2つの観点から詳しく解説します。
食品における主な役割
トレハロースは食品加工の現場で欠かせない存在です。その効果は主に食品の品質保持や食感の向上に現れます。
1. デンプンの老化を抑える
トレハロースには、デンプンの老化を抑制する効果があります。デンプンは時間が経つと結晶化し、パンや餅が固くなる原因となります。しかし、トレハロースを加えることで、この老化現象を防ぎ、食品の柔らかさや新鮮な食感を保つことができます。
例えば、パンに使用すると、ふんわりとした柔らかさが長持ちします。また、餅やおにぎりに加えることで、時間が経過しても固くなりにくくなります。この効果は、食品の保存性を向上させる大きなポイントです。
2. 保湿性を高める
トレハロースの高い保湿性も食品における重要な特性です。乾燥を防ぎ、しっとりとした食感を維持する効果が期待できます。特に焼き菓子やケーキに使用すると、乾燥してパサパサになるのを防ぎます。
また、この保湿効果は、食品の見た目にも影響を与えます。水分を保つことで見た目のおいしさを損なうことなく、消費者に魅力的な食品を提供できます。
3. 風味や食感の劣化防止
トレハロースは、食品の風味や食感の劣化を抑える働きがあります。例えば、油脂を使用した食品では、酸化による油の劣化が問題となりますが、トレハロースは油脂の酸化を抑え、食品の風味を長持ちさせる効果があります。
また、加熱時のタンパク質の変性を抑制するため、卵料理やプリンなどもなめらかな食感に仕上げることが可能です。この特性は、食品全体のクオリティ向上に大きく寄与します。
健康面でのメリット
トレハロースは健康にもポジティブな影響を与える成分として注目されています。食生活の質を向上させる要素を以下にご紹介します。
1. 血糖値の上昇を抑制
トレハロースは糖質の一種ですが、血糖値の急激な上昇を抑える効果が報告されています。一般的な砂糖に比べて、消化吸収が緩やかで、血糖値の上昇が穏やかです。そのため、血糖値管理が重要な糖尿病患者や、食後の血糖値変動を抑えたい方にとって魅力的な食品成分といえます。
さらに、血糖値が急激に上下することを防ぐことで、体内のインスリン負担を軽減する効果も期待されています。
2. 虫歯を予防しやすい
糖質は一般的に虫歯の原因とされていますが、トレハロースはそのリスクが低いとされています。トレハロースは、虫歯菌が酸を作りにくい性質を持つため、口腔環境を健康的に保つことに寄与します。
特に、甘味を持ちながら虫歯のリスクを下げる特性は、子どものお菓子や飲料に利用される可能性を広げています。
3. 細胞保護効果
トレハロースには、細胞を保護する働きが期待されています。これは、乾燥や酸化といった細胞にダメージを与えるストレスから身体を守る効果があるためです。これにより、細胞の健康を維持し、老化を遅らせる可能性が示唆されています。
特に運動後の疲労回復や、ストレスが多い環境での体調維持にも役立つと考えられています。
トレハロースの安全性

トレハロースは食品添加物として広く使用されていますが、その安全性について気になる方も多いでしょう。本章では、国内外での安全評価や、過剰摂取に関するリスクとその対策について詳しく解説します。
国内外での安全評価
トレハロースは国内外の食品安全基準をクリアした安全性の高い添加物として知られています。国際的な機関や国内の専門機関によって、使用基準や安全性が確認されています。
1. 国際機関での評価
トレハロースは、FAO/WHO合同食品添加物専門家会議(JECFA)によって評価されています。この評価では、トレハロースの摂取において健康上の問題はないとされており、1日許容摂取量(ADI)が特に定められていません。これは、通常の食品摂取量では有害性がないことを意味します。
さらに、米国食品医薬品局(FDA)はトレハロースを「GRAS(一般に安全と認められる)」として認定しており、安心して使用できる添加物とされています。
2. 日本での安全性
日本では、食品添加物としてのトレハロースの使用が厚生労働省によって認可されています。その際、安全性試験が行われ、基準をクリアし、市場で広く利用されています。また、日本の食品業界では天然由来の糖質として利用が推奨されることが多く、安全性が高い添加物として位置づけられています。
【トレハロースの安全評価】
評価機関 | 評価内容 |
---|---|
FAO/WHO(JECFA) | ADIを設定せず、安全性を認める |
米国FDA | GRAS認定を受け、一般に安全と認められる |
厚生労働省 | 食品添加物として認可、安全基準をクリア |
過剰摂取のリスクと対策
安全性の高いトレハロースですが、過剰摂取には注意が必要です。適切な量を守ることで、安全に利用することができます。
1. 過剰摂取による影響
トレハロースは、小腸で「トレハローゼ酵素」によって分解され、グルコースとして吸収されます。ただし、この酵素の量には個人差があり、一度に大量のトレハロースを摂取すると、未消化のまま腸に到達する場合があります。
これにより、一部の人はお腹がゆるくなる、または下痢になる可能性があります。この症状は一過性のものであり、健康への重大な影響はありませんが、摂取量には注意が必要です。
2. 安全な摂取量の目安
体重1kgあたり0.65g未満の摂取量が一般的に安全とされています。これは、体重50kgの人であれば、約32.5g程度の摂取量に相当します。この範囲内であれば、消化吸収に問題が起こる可能性は低いとされています。
3. 適切な摂取方法
以下のポイントを守ることで、トレハロースを安全に活用できます。
・一度に大量に摂取しない。
・市販の加工食品に含まれるトレハロースの量を確認する。
・初めて使用する際は、少量から試す。
【過剰摂取を防ぐための注意点】
・調理や加工で使用する際は、砂糖の一部を置き換える形で使用する。
・家庭で使用する場合は、1日の摂取量を計算して調整する。
・加工食品に含まれる量を意識し、他の糖質とのバランスを考える。
トレハロースの使い方

トレハロースは、食品添加物としての機能が豊富で、家庭での利用にも適しています。適切に活用すれば、料理やお菓子作りのクオリティを格段に向上させることが可能です。本章では、家庭での活用例と使用時の注意点を詳しく解説します。
家庭での活用例
トレハロースは、料理やお菓子作りに幅広く応用できる糖質です。その特性を活かすことで、仕上がりをワンランク上のものにできます。
1. お菓子やパンの仕上がり向上
トレハロースを使用することで、焼き菓子やパンのしっとり感が持続します。砂糖の代わりに一部をトレハロースに置き換えると、甘さが控えめで上品な味わいになります。
スポンジケーキやクッキーに加えると、時間が経っても柔らかい食感を保てます。また、焼き色が付きにくい特性を活かして、白いパンや明るい色合いを保ちたい焼き菓子の調理に適しています。
2. 炊飯でふっくらとしたご飯を実現
トレハロースは、炊飯時に少量加えることでご飯の粒をふっくらとさせ、冷めても硬くなりにくくする効果があります。1合あたり小さじ1杯程度を加えるだけで、いつものご飯がよりおいしくなります。
3. 肉や魚の下処理に
トレハロースは、肉や魚の臭みを軽減するのにも役立ちます。下味を付ける際にトレハロースを少量加えると、臭みが和らぎ、調理後の仕上がりがジューシーになります。特に、煮魚や炒め物に使用する場合におすすめです。
【トレハロースの活用例】
活用シーン | 使用方法 | 効果 |
---|---|---|
焼き菓子・パン | 砂糖の2~4割を置き換える | しっとり感の維持、上品な甘さを引き出す |
炊飯 | 1合あたり小さじ1杯 | ご飯のふっくら感を保つ |
肉・魚の下処理 | 下味に少量加える | 臭み軽減、ジューシーな仕上がり |
使用時の注意点
トレハロースは便利な添加物ですが、いくつかの注意点を守って使用することが大切です。これにより、効果を最大限に引き出せます。
1. 適切な量を守る
トレハロースは甘味度が砂糖の約40%と控えめです。そのため、砂糖を完全に置き換えるのではなく、砂糖と併用する形で使用するのが一般的です。目安として、砂糖の2~4割程度をトレハロースに置き換えると、料理やお菓子の仕上がりが向上します。
過剰に使用すると、食品が甘すぎたり、風味が損なわれる可能性があります。少量から試して、自分の好みに合った分量を見つけることが重要です。
2. 用途に応じた特性を活かす
トレハロースは焼き色が付きにくい特性を持つため、焼き色が必要な料理やお菓子には向かない場合があります。クッキーや焼き菓子の一部では、色を付けるために砂糖を一部残しておくのが良いでしょう。
また、冷凍食品や保存期間の長い食品では、その保湿性や劣化防止の効果を最大限に活用できます。
3. 加工食品のトレハロース含有量にも注意
市販の加工食品にはトレハロースが含まれていることが多いため、家庭での使用時には総摂取量を意識する必要があります。一度に大量に摂取すると、消化不良を起こす可能性があるため注意してください。
トレハロースが含まれる食品例

トレハロースは、多くの加工食品に利用されており、食品の保存性や食感を向上させる効果を発揮します。一方で、無添加食品にこだわる方の間では、トレハロースを含まない食品も求められています。本章では、トレハロースが使用される加工食品の具体例と、無添加食品と併用する際のポイントを解説します。
加工食品での利用例
トレハロースは、その特性を活かしてさまざまな加工食品に使用されています。特に、食品の保存性や食感の向上を目的とした使用が多く見られます。
1. 焼き菓子やパン
トレハロースは焼き菓子やパンに多く使用されています。その理由は、食品のしっとり感を保つ保湿効果が高いためです。特に、スポンジケーキやマフィンなど、時間が経つと乾燥しやすい商品に適しています。
また、トレハロースは焼き色が付きにくいため、白いパンや明るい色を保ちたい焼き菓子の製造にも活用されます。
2. 冷凍食品や惣菜
冷凍食品や惣菜にも、トレハロースは欠かせない存在です。冷凍による食品の乾燥や風味の劣化を防ぐ効果があるため、品質を維持するのに役立っています。たとえば、冷凍餃子や冷凍ピザでは、解凍後も具材や生地がパサつかないようにするために使用されています。
さらに、惣菜では、肉や魚の食感を柔らかく保つために加えられることが多いです。
3. ジュースやジャム
ジュースやジャムなど、液体食品でもトレハロースは広く利用されています。これらの商品では、甘味を抑えつつ素材本来の味を引き出すために使用されます。また、ジャムでは果物の鮮度や色合いを保つ効果も期待されています。
【トレハロースを含む食品の例】
食品カテゴリ | 使用例 | 使用目的 |
---|---|---|
焼き菓子・パン | マフィン、スポンジケーキ、白パン | しっとり感の維持、焼き色の調整 |
冷凍食品 | 冷凍餃子、冷凍ピザ | 乾燥防止、風味や食感の維持 |
ジュース・ジャム | フルーツジュース、イチゴジャム | 甘味抑制、素材の色や味の保持 |
無添加食品との併用
無添加食品を選ぶ方の中には、食品の安全性や自然な味わいを重視する方が多くいます。トレハロースは天然由来の成分であるため、無添加食品と併用することでより自然な食品選びが可能です。
1. 無添加食品とは
無添加食品とは、保存料や人工甘味料、着色料などの人工的な添加物を含まない食品を指します。これらの食品は、素材そのものの味や風味を大切にしたい方に選ばれることが多いです。
トレハロースは、じゃがいもやトウモロコシのでんぷんを原料として作られるため、無添加食品と親和性が高い添加物と言えます。
2. トレハロースを併用するメリット
無添加食品とトレハロースを併用することで、以下のようなメリットが得られます。
・素材の味を引き立てる:トレハロースの控えめな甘さが、食品本来の風味を活かします。
・保存性の向上:無添加食品は保存料を使用していないため、トレハロースを使用することで鮮度を保ちやすくなります。
・食感の改善:乾燥しやすい食品に適量加えると、しっとり感や柔らかさが長持ちします。
3. 注意点
無添加食品とトレハロースを併用する際には、使用量を適切に調整することが重要です。過剰な使用は素材の自然な風味を損なう場合があります。また、無添加食品を購入する際は、原材料表示を確認し、トレハロースを含む商品と比較することで、自分のニーズに合った商品を選びましょう。
まとめ|トレハロースの特徴を理解し、健康的な食品選びを

トレハロースは、食品の品質を高める添加物として広く利用されている天然由来の糖質です。その主な役割は、食品のしっとり感や鮮度を保つこと、そして食感を向上させることにあります。さらに、健康面でのメリットも期待され、血糖値の急激な上昇を抑える効果や抗酸化作用が注目されています。
安全性においても、国内外で厳しい評価基準をクリアしており、正しく使用すれば健康への影響はほとんどないとされています。ただし、加工食品に含まれるトレハロースと日々の料理で使用する量を意識し、適切な摂取を心がけることが大切です。
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