納豆は、日本の伝統的な発酵食品であり、豊富な栄養素と健康効果を持つスーパーフードです。たんぱく質やビタミン、ミネラルを多く含み、腸内環境の改善や血流促進に役立ちます。
また、ナットウキナーゼや大豆イソフラボン などの成分が、美容や骨の健康維持にも効果的です。本記事では、納豆の栄養価や健康メリット、適切な食べ方について詳しく解説します。
目次
納豆の基本情報
納豆とは?
納豆の種類
1. 粒納豆(一般的な納豆)
最も一般的な納豆で、大豆をそのまま発酵させています。粒の大きさによって、以下のように分類されます。
・大粒納豆:豆本来の食感を楽しめる。噛み応えがあり、納豆の風味をしっかり感じられる。
・中粒納豆:大粒と小粒の中間で、食べやすくバランスが良い。
・小粒納豆:ご飯とよく絡み、食べやすい。日本では最も一般的なタイプ。
2. ひきわり納豆
大豆を砕いて皮を取り除き、細かくした状態で発酵させた納豆です。
消化吸収が良く、栄養素の吸収効率が高い。
・ビタミンKが豊富で、骨の健康維持に役立つ。
・粒が小さいため、納豆特有の粘りや香りが控えめで食べやすい。
3. 五斗納豆(塩辛納豆)
・主に東北地方で作られる、塩分を多く含む納豆。
・発酵が進むことで強い旨味が生まれ、保存性が高い。
・味が濃いため、調味料なしでも食べられる。
4. 糸引き納豆と糸引きなし納豆
・糸引き納豆:発酵による納豆菌の作用で、独特のネバネバが生じる一般的な納豆。
・糸引きなし納豆:糸を引かない加工が施されており、納豆の粘りが苦手な方でも食べやすい。
5. フリーズドライ納豆
・保存性が高く、水やお湯を加えると戻るタイプの納豆。
・お菓子感覚で食べられるものもあり、手軽に納豆の栄養を摂取できる。
納豆に含まれる栄養素
三大栄養素
納豆は、植物性の良質なたんぱく質が豊富な食品です。動物性たんぱく質に匹敵するほどの栄養価を持ち、特に必須アミノ酸をバランスよく含むため、筋肉や臓器の維持に欠かせません。
また、大豆を発酵させることで、消化吸収が向上し、体内で効率よく利用されるのも特徴です。そのため、筋トレを行う方や高齢者の筋力維持にも適した食品といえます。
2. 炭水化物
納豆には、適量の炭水化物が含まれており、エネルギー源として機能します。特に、発酵過程で作られるオリゴ糖が豊富で、腸内の善玉菌を増やす働きがあるのが特徴です。
また、納豆の炭水化物には食物繊維が含まれており、血糖値の急上昇を抑えるため、糖尿病予防やダイエット中の方にも適した食品です。
3. 脂質
納豆の脂質は、主に不飽和脂肪酸で構成されており、コレステロールを調整する働きがある ため、動脈硬化や心疾患の予防に役立ちます。特に、リノール酸やオレイン酸などの必須脂肪酸が含まれ、細胞の健康維持に貢献します。
また、納豆にはレシチンが含まれており、脳の働きを活性化する効果も期待できます。記憶力向上や認知機能のサポートを目的に、毎日の食事に取り入れるのもおすすめです。
ビタミン・ミネラル
1. ビタミンK
納豆は、食品の中でもトップクラスのビタミンK含有量を誇る食品です。ビタミンKには血液の凝固を助ける作用があり、出血時の止血をサポートします。
さらに、カルシウムの吸収を促進し、骨の健康維持に役立つため、骨粗しょう症予防にも効果的です。特に、高齢者や骨密度が気になる方におすすめです。
2. ビタミンB群
納豆には、ビタミンB1・B2・B6・葉酸などのビタミンB群が豊富に含まれています。これらのビタミンは、エネルギー代謝をサポートし、疲労回復や肌の健康を維持する役割を果たします。
・ビタミンB1:糖質の代謝を促し、疲労回復をサポート。
・ビタミンB2:皮膚や粘膜の健康を保ち、アンチエイジングにも効果的。
・ビタミンB6:たんぱく質の代謝を助け、筋肉の成長や免疫機能を強化。
・葉酸:赤血球の生成を助け、貧血予防に貢献。妊娠中の方にも重要な栄養素。
3. ミネラル類
納豆には、鉄・カルシウム・マグネシウム・カリウムなど、多くのミネラルが含まれています。これらは、身体の機能を正常に保つために欠かせません。
・鉄:貧血予防に効果的で、特に女性におすすめ。
・カルシウム:骨や歯を強化し、骨粗しょう症予防に貢献。
・マグネシウム:筋肉や神経の働きを助け、ストレス緩和にも効果的。
・カリウム:体内のナトリウムを排出し、血圧の調整をサポート。
特徴的な成分
納豆特有の成分であるナットウキナーゼは、血栓(血の塊)を溶かし、血流を改善する働き があります。この成分は、高血圧や動脈硬化の予防に効果的であり、心血管疾患リスクを下げるといわれています。ナットウキナーゼは熱に弱いため、納豆を加熱せずに食べることが推奨されます。
2. 大豆イソフラボン
納豆には、大豆イソフラボンが豊富に含まれており、女性ホルモン(エストロゲン)と似た働きを持つことが知られています。このため、更年期障害の軽減や骨密度の維持、肌の健康促進に効果的です。特に、女性の健康維持やホルモンバランスの調整に役立つ成分であり、年齢を重ねるにつれて積極的に摂取したい成分の一つです。
3. 納豆菌
納豆の発酵に欠かせない納豆菌は、腸内の善玉菌を増やし、腸内環境を整える働きがあります。これにより、便秘の改善や免疫力の向上に効果的です。また、納豆菌は胃酸に強く、生きたまま腸に届きやすい特徴を持つため、腸内フローラの改善にも役立つと言われています。
納豆の健康効果
腸内環境の改善
成分名 | 役割 |
---|---|
納豆菌 | 善玉菌を増やし、腸内環境を整える |
食物繊維 | 腸のぜん動運動を促進し、便秘を防ぐ |
オリゴ糖 | 善玉菌のエサとなり、腸内環境を良くする |
血液サラサラ効果
成分名 | 役割 |
---|---|
ナットウキナーゼ | 血栓を分解し、血流を改善する |
ビタミンK | 血液の凝固を調整し、健康な血管を維持 |
レシチン | コレステロール値を下げ、動脈硬化を予防 |
骨の健康をサポート
成分名 | 役割 |
---|---|
ビタミンK | カルシウムの吸収を助け、骨密度を維持 |
カルシウム | 骨の主成分となり、強度を高める |
マグネシウム | 骨の形成をサポートし、骨粗しょう症を予防 |
美容・アンチエイジング
成分名 | 役割 |
---|---|
大豆イソフラボン | 女性ホルモンを補い、肌のハリや潤いを維持 |
ビタミンE | 抗酸化作用があり、シミやシワを防ぐ |
ポリアミン | 細胞の若返りを促し、老化を抑制 |
納豆の食べ方と適量
効果的な食べ方
1. 納豆はよくかき混ぜてから食べる納豆は、よくかき混ぜることで「うま味」や「栄養価」が高まることが知られています。かき混ぜることで納豆の粘りが増し、発酵によって生まれるアミノ酸やポリグルタミン酸が活性化します。特に、ポリグルタミン酸は、カルシウムの吸収を促進する効果があるため、骨の健康維持に貢献します。
かき混ぜ回数 | 期待できる効果 |
---|---|
50回未満 | 粘りが少なく、味が控えめ |
50〜100回 | うま味成分が増え、食感がまろやかになる |
100回以上 | 甘みが増し、納豆の持つ栄養価が最大限に引き出される |
納豆に含まれるナットウキナーゼは熱に弱く、加熱するとその効果が失われてしまうため、調理方法には注意が必要です。例えば、納豆を味噌汁に入れる場合は、火を止めた後に加えることでナットウキナーゼの働きを保つことができます。また、チャーハンやパスタに加える際も、最後にトッピングする形で食べるのがおすすめです。
温度 | 影響 |
---|---|
50℃以下 | 栄養成分にほぼ影響なし |
60〜70℃ | 一部の酵素が失活する可能性あり |
80℃以上 | ナットウキナーゼがほぼ失活し、血液サラサラ効果が低下 |
食材 | 効果 |
---|---|
卵 | 良質なたんぱく質が補完され、栄養価が向上 |
ネギ | 硫化アリルがビタミンB1の吸収を促進し、疲労回復に効果的 |
キムチ | 乳酸菌と納豆菌の相乗効果で腸内環境をさらに改善 |
しらす | カルシウムが補強され、骨の健康維持に貢献 |
海藻(わかめ・もずく) | ミネラルが豊富で、デトックス効果が期待できる |
1日の適量
【納豆の栄養素(1パック50gあたり)】
栄養素 | 含有量 | 主な健康効果 |
---|---|---|
たんぱく質 | 約8g | 筋肉の維持・成長をサポート |
食物繊維 | 約3g | 腸内環境を整え、便秘を予防 |
ビタミンK | 約400μg | 骨の健康維持、血液凝固作用 |
ナットウキナーゼ | 約1,500FU | 血流改善、血栓予防 |
納豆を食べるタイミングによっても、健康効果が異なるため、目的に応じて食べる時間帯を調整するのがおすすめです。
タイミング | 効果 |
---|---|
朝食 | 腸の働きを活性化し、便通を促進 |
昼食 | たんぱく質補給によるエネルギー代謝向上 |
夕食 | ナットウキナーゼの血流改善効果が最大化 |
納豆の食べ過ぎによるリスク
プリン体の影響
1. 納豆に含まれるプリン体の量
一般的に、プリン体の摂取量は1日400mg以下が推奨されています。納豆1パック(50g)に含まれるプリン体は約55mgであり、1日1〜2パック程度なら問題ありませんが、大量に食べるとリスクが高まります。
食品 | プリン体含有量(100gあたり) |
---|---|
納豆 | 約110mg |
ひきわり納豆 | 約113mg |
まぐろ(赤身) | 約120mg |
レバー(鶏) | 約300mg |
ワルファリンとの相互作用
ビタミンKは、血液の凝固に関与し、出血を防ぐ役割を持つ栄養素です。一方、ワルファリンは、血栓を防ぐためにビタミンKの働きを抑える薬です。納豆を摂取すると、ビタミンKの量が増え、ワルファリンの効果が弱まり、血栓ができやすくなるリスクがあります。
食品 | ビタミンK含有量 |
---|---|
納豆 | 約900μg |
ひきわり納豆 | 約930μg |
ほうれん草 | 約300μg |
ブロッコリー | 約210μg |
・医師の指示がある場合、納豆の摂取は控えることが推奨される。
・どうしても食べたい場合は、摂取量を一定にし、医師と相談しながら調整する。
・ほうれん草やブロッコリーなど、ビタミンKを多く含む食品の摂取量にも注意する。
ワルファリンを服用している方は、納豆を食べることで健康リスクが高まる可能性があるため、必ず医師に相談しましょう。
塩分・糖分の過剰摂取
1. 市販のタレに含まれる塩分・糖分
多くの納豆には、醤油ベースのタレや甘味を加えた調味料が付属しています。これらを全て使うと、1回の食事で塩分や糖分を余分に摂取することになり、高血圧や肥満のリスクが高まる 可能性があります。
項目 | 塩分量(g) | 糖分量(g) |
---|---|---|
納豆1パック(50g) | 0.003g | 0g |
納豆のタレ | 約0.5g | 約2g |
からし | 約0.1g | 0g |
納豆を食べる際に、タレの量を調整することで、塩分や糖分の過剰摂取を防ぐことが可能 です。
・タレを半分だけ使用する → 塩分・糖分の摂取を約半分に抑えられる。
・醤油やポン酢に置き換える → 醤油なら塩分量を調整しやすく、ポン酢なら酸味が加わり減塩しやすい。
・ネギや海藻を加えて風味を補う → 自然の風味を活かし、タレの使用量を減らす。
このように、納豆そのものの健康効果を損なわずに、塩分や糖分を抑える工夫が可能です。
まとめ|納豆の健康効果を活かすなら「MASH SOY」を活用しよう
しかし、プリン体の摂取量や薬との相互作用、塩分・糖分の過剰摂取には注意が必要で、適量を守ることが大切です。
また、納豆と同じく大豆製品として健康に良いのが、手軽に大豆の栄養を摂取できる「MASH SOY」 です。
「MASH SOY」は、北海道産の丸大豆とおいしい水のみを使用した完全無添加の大豆食品 であり、納豆や豆腐と同様に、大豆イソフラボンや植物性たんぱく質を豊富に含んでいます。
* 納豆や豆腐の代わりに、簡単に大豆の栄養を摂取できる
* 腸活や美容、アンチエイジングを意識する方に最適
* そのままでもおいしく、料理に取り入れやすい
納豆と同様に、大豆の栄養を効率よく摂れる「MASH SOY」を活用することで、毎日の健康づくりをより手軽に、そしておいしく続けることが可能です。
食事に大豆製品を取り入れたいけれど、「納豆が苦手」「手軽に栄養を摂りたい」と思う方は、ぜひ「MASH SOY」を試してみてください。MASH SOYの購入はこちらから
Riko Kobayashi
小林 理子
略歴
2014年短期大学部家政科食物栄養専攻卒業 栄養士資格取得
2014年給食委託会社入社
2015年公立小学校の栄養士へ転職
2017年管理栄養士国家資格取得/フリーランス管理栄養士へWebライター、セミナー講師、食事指導、レシピ開発等で活躍
2019年オランダへ渡航(活動休止)
2023年フューチャーフーズ株式会社に入職
2024年フリーランス管理栄養士として活動再開
活動実績
高齢者施設、学校、保育園などでの給食提供を経験し、実務を通じて専門性を磨いた後、独学で管理栄養士国家試験に合格。以降はフリーランスとして、食事指導・セミナー登壇・レシピ開発・Webライターなど幅広い分野で活躍。
オランダ滞在中に妊娠・出産を経験し、日本帰国後は 大豆製品を使ったレシピ開発 や 食品臨床試験の食事調査 を行い、現在は再びフリーランスとして活動中。
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